【FAQ】JIS対応避雷器「サージプロ」

【Q.02-1】避雷器と保安器では何が違うのですか?アレスタとプロテクタの違いも教えてください。

「避雷器」「保安器」「アレスタ」「プロテクタ」は、基本的には全て雷サージから保護するための素子や装置のことを示しており、呼び方は様々ありますが、一般的な意味としては全て同じ意味を持ちます。 また、JIS C 5381シリーズでは「サージ防護デバイス(SPD)」と表現されています。

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【Q.02-2】SPDとは何ですか?

Surge Protective Devices(サージ防護デバイス)を略して、SPDと言います。
低圧用避雷器を含め、雷サージから保護するための装置を総称としてSPDと呼んでいます。

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【Q.02-3】MOVとGDTについて教えてください。

●MOVとは MOVはMetal Oxide Varistorの略で、金属酸化物バリスタのことです。バリスタ(Varistor)とは、バリアブル (Variable:可変)とレジスタ(Resistor:抵抗)からなる造語であり素子の抵抗値が電圧により変化すること から付けられた名称です。原料としては主に酸化亜鉛が使用されています。
◎電圧制限形素子 MOVは電圧制限形の素子であり、雷サージが通過している間、動作電圧を維持しています(動作時の素子のインピーダンスが連続的に低くなる)。そのため、電源回路等の高電流回路で使用しても、素子の動作時に電源電流が通過することによる継続的な放電(続流)がなく電源回路での使用に適しています。
●GDTとは GDTとはGas Discharge Tubesの略で、ガスを封入し密封した外囲器内にギャップを設けた構造であり、高い過度電圧の発生時にギャップ間を放電させ電圧を抑圧させるための避雷素子です。また、低圧用避雷器で「GAPタイプ」と呼ばれているものは、このGDTを使用しているものが多数あります。
◎電圧スイッチング形素子 GDTは電圧スイッチング形の素子であり、動作後の維持電圧が低くなり(動作時の素子のインピーダンスが瞬時に低くなる)、被防護機器へ加わる電圧を低く抑えることができます。但し、電源回路等の高電流回路で使用する場合、続流が発生しやすいために主に通信回路等の低電流回路で使用されることが多く、また電源回路で使用される場合は、MOVとの組合せで使用されています。しかし、JIS C 5381-1では電源回路へ接続した状態で続流を自己消弧しなければならないと規定されており、JIS C 5381-1に準拠している電圧スイッチング形の低圧用避雷器なら電源回路に使用することができます。
【MOVタイプとGDTタイプの比較】
表1. MOVタイプとGDTタイプの比較
タイプ 動作特性 応答時間 続流の有無 動作波形
MOVタイプ
電圧制限形
0.01~0.05μs
無し
図1-1
GDTタイプ
電圧スイッチング形
0.1~1μs
有り※1
図1-2
※1 JIS規格品は続流を自己消弧します。

movとgdtの動作波形

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【Q.02-4】避雷器は1回の雷で壊れてしまうものなのですか?

●避雷器の寿命について
避雷器の寿命は、雷の大きさと侵入回数により決まります。しかし、雷は自然現象であり、様々な大きさの雷が発生しているため、明確な寿命を決めることはできません。避雷器を通過した雷が仕様に明記されている「In(公称放電電流)」の値以下であれば多数の雷が通過しても、避雷器の特性が劣化することはなく、継続してご使用頂くことができます。但し、「Iimp(インパルス電流)」または「Imax(最大放電電流)」の値以上の雷が通過した場合は、1回で故障する場合があります。

●故障の判定方法について
避雷器が万が一故障してしまった場合、GAPタイプの避雷器はオープン破壊するため回路の短絡電流が継続的に流れることはありません。逆に、MOVタイプの避雷器はショート破壊するため回路の短絡電流が継続的に流れ危険な場合があります。 当社のMOVタイプの避雷器にはSPD分離器が搭載され、万が一避雷器が故障し回路の短絡電流が流れた場合でもSPD分離器の動作により、電源回路と避雷器を切り離し短絡電流を遮断します。また、SPD分離器が動作すると避雷器本体に表示窓があり、故障時は「赤色」に変わり視認することが可能です。

●信号出力接点について
SPD分離器を搭載している避雷器には無電圧接点信号出力端子付きのものをラインナップしています。信号出力により避雷器の故障を監視する場合は、無電圧接点信号出力端子付きのものをお選びください。

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【Q.02-5】JIS対応の低圧用避雷器とはどのようなものか教えて下さい。

●今までの避雷器 避雷器は1回の雷で壊れてしまうものなのですか? 従来、電力線に関する雷サージの試験波形は、代表的な波形として誘導雷を想定した8/20μs(電流波形)、1.2/50μs(電圧波形)が使用されていました。これらの波形に加え、JIS規格では直撃雷を想定した波形として10/350μs(電流波形)の試験波形も加わり、各波形に対応する SPDの試験方法を定めクラス分けを行っています。また、SPDの安全性能についても規定されています。これによりJIS対応避雷器であれば、SPDを選定する際の基準が明確になったことや、安全性能が保証されていることになり、購入者が適切な避雷器を選定しやすくなっています。 また、避雷器に関するJIS規格はIEC規格で制定されている内容をJIS化したものであり、国際規格と統一した規格となっています。 ●JIS対応避雷器 避雷器の規格として発行されたJIS C 5381-1「低圧配電システムに接続するサージ防護デバイスの所要性能及び試験方法」は、雷サージ性能や安全性能が明確に記載されたIEC規格の翻訳版としてJIS規格化されたものであり、世界的に統一された規格となっています。 JIS規格に準拠している避雷器とは、JIS C 5381-1に定められた試験性能を満足している避雷器です。 試験分類はクラスⅠ~Ⅲの3種類があり、クラス毎に雷サージに対する性能が違い、設置場所等により使い分けることができます。表2に各クラスの主な性能と使用用途を示します。 表2.各クラスのサージ波形と用途
クラス 適用されるサージ波形 推奨される使用用途
クラスⅠ
電流波形:10/350μs 一般的に高被雷場所 (直撃雷の影響を受けやすい場所) 例:建築物の配電システムの引き込み口等
クラスⅡ
電流波形:8/20μs 一般的に低被雷場所 (誘導雷の影響を受けやすい場所) 例:分電盤等
クラスⅢ
コンビネーション波形 ・電圧波形(開回路):1.2/50μs ・電流波形(閉回路):8/20μs 一般的に低被雷場所 (誘導雷の影響を受ける恐れのある装置等) 例:端末機器等

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【Q.02-6】その他避雷器関係で使う用語の意味を教えて下さい。(JIS C 5381-1の用語)

(JIS C 5381-1の用語)表3. JIS規格用語と解説
用語 略称 解説
公称放電電流
In
SPDを流れる電流波形が8/20である電流の波高値。これはクラスII試験のSPDの分類、並びにクラスI試験及びクラスII試験に対するSPDの前処理のときにも使用する。
インパルス電流
Iimp
動作責務試験の手順に従って試験する電流ピーク値Ipeak及び電荷Q。これはクラスI試験を行うSPDの分類に使用する。
最大放電電流
Imax
クラスII試験の動作責務試験の試験シーケンスに従った大きさで、SPDに流れる8/20波形の電流波高値。ImaxはInより大きい。
最大連続使用電圧
Uc
防護モードのSPDに連続して印加してもよい最大実行値または直流電圧。これは定格電圧に等しい。
続流
If
電源系統から供給し、インパルス電流が放電終了後にSPDに流れ続ける電流。続流は連続使用電流Icとは明らかに異なる。
電圧防護レベル
Up
端子間の電圧を制限するとき、推奨値のリストから選択するSPDの性能を規定するパラメータ。この値は測定制限電圧の最大値より大きくなければならない。

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【Q.02-7】JISに対応した低圧用避雷器の必要性について教えて下さい。

●JIS対応避雷器の必要性 従来販売されていた避雷器の特性や安全性能は各メーカが学会や各規格などで規定されている内容を基準として特性評価を行っていたため統一性がなく、購入者側から見ても適正な避雷器を選定するための基準がない状態でした。 そのため、避雷器に関する特性や安全性について統一した規格を設けることが必要な状態となっておりました。 避雷器の特性や安全性をJIS化することで、JISに対応している避雷器であれば、どの避雷器も統一した所要性能を満足していることになり、購入者にとってもひとつの基準となります。 また、JIS規格には避雷器の選定方法や使用例等も定めているため、購入者が適切な避雷器を選定することができるようになっています。 また、避雷器に関するJIS規格はIEC規格で制定されている内容をJIS化したものであり、国際規格と統一した規格となっています。 ●JIS対応避雷器を採用しなければならないのか? JIS対応避雷器について法的な規制はないため、必ずしも採用しなければならない訳ではありません。しかし、JIS対応避雷器はJISで避雷器の性能や安全性を規定し、その項目を全て満足している避雷器であることから、JIS対応の避雷器を推奨させて頂いております。 最近では、官公庁などの設計基準等でも避雷器はJIS対応避雷器を設置するよう指定されるケースがあります。そのような場合、従来品のJISに対応していない避雷器は使用することができない場合があります。 ●従来品の代替えとしてJIS対応避雷器は設置できるのか? サージプロシリーズでは、設置場所の電源電圧に対する避雷器の使用電圧が従来品と同様の条件で使用可能なものがラインアップされていますので、従来品からの代替えとしての設置は可能です。 但し、避雷器の構造により、配線の接続方法は異なる場合がありますので、その場合は配線接続部の処理をサージプロシリーズの避雷器に接続できるように、被覆を11mm程度剥いて配線接続部へ挿入し、避雷器本体にあるネジにて配線を固定して下さい。

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【Q.02-8】低圧用避雷器の設置方法や注意事項などについて教えて下さい。

●低圧用避雷器の設置工事に資格は必要か? 電気設備に関する工事には電気工事士の資格が必要になります。 ●低圧用避雷器に接続できる配線径と取付方法は? 接続できる電線サイズは、以下の通りです。 単線 : Φ1.6mm~Φ6mm より線: 2mm2~35mm2 配線の接続は、避雷器本体側面にある配線挿入口に線材を差込み、上面にあるネジにて締め付けて配線を接続します。 また、避雷器本体を壁面等に固定する際は、DINレール(35mm幅)を使用して固定します。 ●低圧用避雷器の設置場所と設置方法 雷サージから保護したいシステムや機器の電源線引き込み口に取り付けます。 また、建物全体を保護する場合は、LPZ(雷保護領域)の境界に各クラスの避雷器を取り付けます。 JISでは、図2,3に示すようにSPDの位置が漏電遮断器の負荷側の場合と電源側の場合とで設置例が示されております。

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【Q.02-9】ビルと戸建住宅では避雷器の設置方法は異なりますか?

ビルでも戸建住宅でも基本的に雷防護の考え方は変わりません。
雷保護領域の境界部分に低圧用避雷器を設置することになります。
戸建住宅の場合は、主に分電盤付近の設置となります。
分電盤内に収容できない場合は、避雷器用の収容箱および避雷器用の遮断器等が必要となります。

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【Q.02-10】低圧用避雷器の選定方法を教えて下さい。

●避雷器の選定方法
避雷器に表示されている最大連続使用電圧(Uc)が、ご使用頂く電源回路の電圧以上のものをご使用下さい。

 

●避雷器を選定する際の注意点
必ず避雷器の最大連続使用電圧(Uc)がご使用頂く電源回路電圧を下回らないようにして下さい。
また、避雷器の設置箇所が漏電ブレーカの一次側か負荷側かにより、回路構成が異なりますのでQ8の図を参照して頂きそれぞれ避雷器のタイプを選定して下さい。

●誘導雷対策はクラスⅡタイプの避雷器だけでよいのか?
クラスⅢタイプの必要性について
防護したい機器が引き込み口近くに設置したSPD(クラスⅡタイプ)より離れた場所に設置されている場合、配線や機器のインピーダンスによる振動現象により機器に対して、引き込み口近くに設置したSPD(クラスⅡタイプ)の制限電圧Upの2倍程度の電圧が加わる可能性があります。この振動現象はクラスⅡタイプのSPDの設置場所から機器の設置場所が10m未満の場合には無視できますが、10m以上ある場合は、機器の直前にクラスⅢタイプのSPDを設置する必要があります。

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【Q.02-11】避雷器の協調について説明して下さい。

●ボンディングバー JIS A 4201では「雷保護システム、金属構造体、金属製工作物、系統外導電性部分並びに被保護物内の電力及び通信用設備をボンディング用導体又はサージ保護装置で接続することによって等電位化を行う」と規定されています。 このことよりボンディングバーは雷保護システムの構築には不可欠なものです。 ●デカップリングコイル 2個のSPDを近接した距離で使用しなければならない場合等では、前段のSPDと後段(機器に近い側)のSPD間のインダクタンスの効果が得られにくい(インピーダンス成分があまりないこと)ため、2個のSPDで動作協調がとりにくくなります。このような場合にデカップリングコイルを間に入れてインピーダンス成分を得ることが必要となります。 ●動作協調 電力線引き込み口にSPD1(クラスⅠ)、分電盤にSPD2(クラスⅡ)を設置するなど2個のSPDを必要とする場合、通常、分電盤等の機器に近い側に設置されるクラスⅡのSPDは、引き込み口に設置されるクラスⅠのSPDに比べサージ耐量が小さくなります。 使用するSPDを両方ともMOVタイプとした場合、雷サージ侵入時には、どちらのSPDも動作することになるため、2個のSPD間のサージ耐量としては SPD2のサージ耐量が支配的になります。そのため、なるべくサージ耐量の大きいSPD1側へサージ電流を流すために2個のSPD間にデカップリングコイルの設置や配線長を長くするなどしてインダクタンス成分を得ることで、サージ電流がSPD1側へ流れやすくなりサージ耐量を向上させることができます。このように2個のSPDを使用する場合、それぞれの動作特性を効果的にするために協調回路を構成する必要がある場合があります。

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【Q.02-12】白山製作所の低圧用避雷器の筐体材質は何ですか?

低圧用避雷器の筐体に使用しているプラスチックはPBT樹脂(難燃性UL94V-0)です。

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【Q.02-13】避雷器はどうして必要なのですか?

●低圧用避雷器の効果 直撃雷や誘導雷により配電系統に侵入する急峻な雷サージは、一瞬にして機器の破壊や故障、誤動作を引き起こします。 しかし、低圧用避雷器を適切に設置することにより、雷サージが侵入しても低圧用避雷器が動作することにより電圧を抑圧し、電流は低圧用避雷器を介して接地極へ流れる(機器に対して雷サージをバイパスする回路を形成する)ため、機器の破壊や故障機器の原因となる雷サージの侵入を防ぐ効果があります。 ●避雷器の必要性 端末機器における機器内部回路の低電圧化や高密度化による過電圧への脆弱化傾向のため、現代社会における雷被害件数は確実に増えてきています。企業活動・公共サービスなどを支える様々なネットワークは「高速・高品質」であることと共に「安全で確かな運用」が求められます。雷サージをネットワークへ侵入させることは、内部の装置や端末機器を破壊したり誤動作させるばかりでなく、データの損失やシステムの停止・停滞を引き起こし、取り返しのつかない営業的機会損失や社会的信用の失墜といった問題を発生させる危険性があります。 こういったことから避雷器は不可欠なものとなってきております。

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【Q.02-14】高圧引込の場合にも低圧用避雷器を設置するのですか

●低圧用避雷器の効果 高圧または特高圧の受電は高層建築物でよくあるケースであり、20m以上の建築物では外部雷保護システムが設置されています。 このケースでは外部雷保護システムに落雷した場合、引き下げ導体等により外部雷保護システムの接地へ雷サージ電流が流れることにより、建物全体の接地電位が上昇します。この時、高圧または特高圧受電用変圧器の低圧側接地が建物内の等電位ボンディングと接続されているならば、電源系統における接地電位は全て同電位と考えられます。但し、通信機器などのように電源線、接地線以外に通信線等のメタル線が接続されている装置は、メタル線を介して別の場所に接地ポイントがあるため落雷時には建物内の接地と電位差が生じるため、機器を破損する可能性があります。 また、避雷針に落雷した雷サージ電流は引き下げ導体や鉄筋等を流れます。これにより誘導結合や静電結合による過電圧が発生する可能性があります。 発生した過電圧により、近接しているメタル線の電位が上昇しますので、接続されている機器を破損する可能性があります。 以上のことからも、雷害対策として低圧用避雷器及び通信または信号用避雷器の設置は必要となります。 設置箇所としては、低圧用避雷器は各フロアの分電盤への設置及び分電盤から10m以上離れた場所へ機器がある場合は機器に近接した場所への設置、また通信線または信号線が接続された機器の場合は低圧用避雷器と通信または信号用避雷器を設置し各々のアースを共通に接続することで、雷サージ侵入による電位差の発生から機器を保護することが可能となります。

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【Q.02-15】平成17年9月に改訂された内線規程について教えて下さい。

内線規程とは、(社)日本電気協会の電気技術規定(JEAC 8001)として昭和43年に制定されたもので、需要場所における電気工作物の設計・施工・維持・検査の業務に従事する人が保安上守るべき技術的事項を定めた民間自主規格です。
平成17年9月の改訂版には、1361節「雷保護装置」の項目が新しく追加され住宅用分電盤への避雷器の取付け・規格・施設方法などが規定されました。

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【Q.02-16】IECについて教えて下さい。

IECとは1906年に設立されたInternational Electrotechnical Commission(国際電気標準会議)の略で、電気、電子、通信、原子力等の分野で各国の規格・標準の調整を行う国際機関です。1947年以降はISO※ (International Organization for Standardization:国際標準化機構)の電気・電子部門を担当しており、本部はスイスのジュネーブにあります。よってIECによって定められた規格は、国際的に認められた標準規格と言え、IEC規格の「IEC61643」シリーズを技術的内容について変更することなく翻訳したものが、日本工業規格(JIS)の「JIS C 5381」シリーズとなります。 ※ISO:工業標準の策定を目的とする国際機関で、各国の標準化機関の連合体で、工業標準 の策定を目的とする国際機関です。1947年に設立され、現在では147カ国が参加しています。

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【Q.02-17】雷保護関係のJIS規格を教えて下さい。

JIS A 4201-1992「建築物等の避雷設備(避雷針)」は建築物を雷から保護する目的で制定された規格です。主な内容として、避雷針は保護角という考えに基づいて一般建築物は60°以下(図4)、危険物等は45°以下を保護範囲としていました。 しかし、これまでの様々な雷害事例等のデータにより、JIS A 4201-1992では必ずしも十分な保護が期待できないことがわかってきました。さらに、電子機器の多様化・ネットワーク化によって、それら電子機器が雷サージによって故障する被害が増加傾向にあることと、国際規格であるIECとの整合を図るということから、JISの改訂および新規制定がなされました。 表4に、雷保護関係のJIS規格ならびに雷対策に不可欠なSPD関係のJIS規格一覧を示します。JIS A4201-1992の保護エリア

図4. JIS A4201-1992の保護エリア

表4. 雷保護及びSPD関係のJIS規格一覧
JIS IEC 名称
雷保護関係 A 4201 61024-1 建築物等の雷保護
C 0364-4-442 60364-4-442 建築電気設備-第4部:安全保護-第44章:過電圧保護-第442節:高圧系統の地絡事故に対する低圧設備の保護
C 0364-4-443 60364-4-443 建築電気設備第4部:安全保護第44章:過電圧保護第443節:大気現象又は開閉による過電圧保護
C 0364-4-444 60364-4-444 建築電気設備第4部:安全保護第44章:過電圧保護第444節:建築電気設備における電磁障害 (EMI) 保護
C 0364-5-54 364-5-54 建築電気設備 第5部 電気機器の選定と施工?第54章 接地設備及び保護導体
C 0364-5-5344 60364-5-53 建築電気設備第5部:電気機器の選定と施工?第53章:スイッチギヤ及びコントロールギヤ  第534節:過電圧保護装置
C 0364-5-548 60364-5-548 建築電気設備第5部:電気機器の選定と施工?第548節:情報技術設備のための接地設備及び等電位ボンディング
C 0364-7-707 60364-7-707 建築電気設備?第7部:特殊設備又は特殊場所に関する要求事項  第707節:データ処理機器の設備に対する接地の要求事項
C 0367-1 61312-1 雷による電磁インパルスに対する保護?-第1部:基本的原則
C 0664 60664-1 低圧系統内機器の絶縁協調 第1部:原理,要求事項及び試験
C 0704
制御機器の絶縁距離・絶縁抵抗及び耐電圧
C 6950 60950 情報技術機器の安全性
C 61000-4-5 61000-4-5 電磁両立性-第4部:試験及び測定技術?-第5節:サージイミュニティ試験
SPD関係 C 5381-1 61643-1 低圧配電システムに接続するサージ防護デバイスの所要性能及び試験方法
C 5381-12 61643-12 低圧配電システムに接続するサージ防護デバイスの選定及び適用基準
C 5381-21 61643-21 通信回線に接続するサージ防護デバイスの所要性能及び試験方法
C 5381-22 61643-22 通信回線に接続するサージ防護デバイスの選定及び適用基準
C 5381-311 61643-311 低電圧サージ防護デバイス用ガス入り放電管(GDT)
C 5381-321 61643-321 低電圧サージ防護デバイス用アバランシブレークダウンダイオード(ABD)の試験方法
C 5381-331 61643-331 低電圧サージ防護デバイス用酸化亜鉛バリスタ(MOV)の試験方法
C 5381-341 61643-341 低圧サージ防護デバイス用サージ防護サイリスタ(TSS)の試験方法

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【Q.02-18】JIS A 4201-2003の内容について簡単に説明して下さい。

JIS A 4201-1992では、保護角という考え方にて一般建築物は60°以下、危険物等は45°以下としておりましたが、これまでの様々な雷害事例等のデータにより、保護角範囲内であるはずの部分に落雷があったケースが少なくありません。このようなことから、JIS A 4201-1992で定める保護角では必ずしも十分な保護が期待できないことがわかってきました。 JIS A 4201-2003では、落雷の危険から建築物等の保護を主目的とする雷被害対策のことを、雷保護シ ステム(LPS :Lightning Protection System)と呼んでおります。そして、その雷保護システムは、外部雷保護システムと内部雷保護システムにより構成されます。(表5参照) 表5. 雷保護システム
名称 構成
雷保護システム
外部雷保護システム ・受雷部(突針、水平導体、メッシュ導体) ・引下げ導線システム ・接地システム
内部雷保護システム ・等電位ボンディング ・外部雷保護システムの絶縁 ・人命危険に対する安全対策

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【Q.02-19】その他雷保護関係でよく使う用語の意味を教えて下さい。(JIS C 5381-1以外の用語)

(JIS C 5381-1以外の用語)
●等電位ボンディングとは
受雷部や建物自体に落雷があった場合、導電性部分を通って接地へ大電流が流れます。この時、電流経路となる導電性部分の電位が上昇し、他の建築物構造体や設備・機器との間に大きな電位差が発生しがます。この電位差により、火花放電発生して火災及び爆発危険や人命危険の原因となっています。
等電位ボンディングとは、建築物内で電位差を発生させないようにするための重要な方法で、雷保護システム、金属構造体、金属製工作物、系統外導電性部分をボンディング用導体を用いてボンディング用バーに接続します。また、電力線や通信線のように直接接続できないものについては、アレスタ(避雷器)を介して接続します。アレスタは通常絶縁状態ですが、雷サージが侵入すると一時的に短絡状態となり電位を抑えることができます。

●LPSとは
LPSとはLightning Protection Systemの略で、「雷保護システム」(JIS A 4201-2003にて、落雷の危険から建築物等の保護を主目的とする雷被害対策)のことです。

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【Q.02-20】外部雷保護と内部雷保護について教えて下さい。

●外部雷保護とは 外部雷保護とは、「JIS A 4201-1992」避雷設備(避雷針)の規定に相当し、受雷部・引下げ導線及び接地システムにより構成される雷保護対策です。建築物等に接近した雷撃を受雷部に捕捉し、その雷撃電流を引下げ導線、接地極を通じて安全に大地へ流すシステムで、建築物や内部の人畜への雷撃による損傷被害を防止するためのものです。 避雷針は外部雷保護システムの一部で、受雷部に相当します。 ●内部雷保護とは 内部雷保護とは、落雷により外部雷保護システムと建物内の金属部分との間に電位差が発生し、火花放電による火災や爆発、人畜の感電事故といった危険を防止するためのものであり、等電位ボンディング及び安全離隔距離の確保をすることです。

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【Q.02-21】JIS C 0364にあるインパルス耐電圧について説明して下さい。

●外部雷保護とは JIS C 0364-4-443では、電気設備内の機器の設置場所に応じて、機器に必要なインパルス耐電圧(機器が耐えられる瞬間的な過電圧の値)を4つに分類しております。これを耐インパルスカテゴリといいます。 耐インパルスカテゴリにより、機器のインパルス耐電圧が設定されているので、SPDは防護したい機器のインパルス耐電圧より低い電圧で動作するものを選定することにより機器を保護できることになります。 SPDの各クラスと耐インパルスカテゴリの関係を表9に示します。

表9.インパルス耐電圧と耐インパルスカテゴリインパルス耐電圧と耐インパルスカテゴリ お問い合わせは

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【Q.02-22】LPZについて教えて下さい。

LPZとはLightning Protection Zone(雷保護領域)の略で、雷による電磁界の強さの異なる領域を定めて、保護しなければならない空間を電磁的条件の異なる幾つかの雷保護領域(LPZ)に分割して考えます。 その結果、雷の脅威を段階的に低減させることができ、保護がしやすくなります。 雷の保護領域の分類と定義を表10に、雷保護領域とSPDの関係例を図7に示します。 
LPZ
定 義
LPZ 0A 直撃雷にさらされる空間で、全雷電流が流れ、雷による電磁界は減衰していない領域
LPZ 0B 直撃雷にはさらされないが、雷による電磁界は減衰していない領域
LPZ 1 直撃雷にはさらされず、領域内に流れ込む雷電流はLPZ0B内より低減している。この領域に遮蔽対策を施せば、雷による電磁界は減衰する。
LPZ 2~ 電流及び電磁界を更に減少させる必要がある場合に、これらLPZ2以降の領域を導入する。
雷保護領域とSPDの関係例 図7.雷保護領域とSPDの関係例

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【Q.02-23】建物に落雷があった場合の電流の流れはどうなるのですか?

JIS C 5381-12 附属書Iによると、建物に落雷があった場合に、雷電流がどの程度各経路に流れるかを計算等によって求められない場合は、雷電流の50%が接地システムに流れると仮定し、残りの50%は外部供給線(配電線、通信線、金属管等)に流れると考えます。この残りの電流の50%分をIsとし、外部供給線の各部に流れる電流をIiとすると、Iiに流れる電流の値は、(nは外部供給線の数)を用いて計算することができます。 また、電源線のように遮蔽のないケーブルで個々の導体に流れる電流Ivを算出するには、電源線の電流値Iiを導体の数mで割った値となります。() 図8は、建物の接地に電流全体の50%が流れ、残り50%は外部供給線に流れている代表的な例ですが、日本では、ガス管、水道管には雷電流を流さないようになっています。この場合、通信線(電話線)には5%以上が流れるとして、配電線には落雷電流の45%が流れると考えます。 雷電流の分流例 図8.雷電流の分流例 ●第一雷撃とは 第一雷撃とは落雷時の一番最初に発生する雷サージ波形の電流パラメータを示したもので、エネルギーと電流波高値が大きく、継続時間が短いのが特徴で、正極性と負極性の両者があります。参考に第一雷撃の雷電流パラメータを表11に示します。
表11.第一雷撃の雷電流パラメータ
電流パラメータ
保護レベル
Ⅲ~Ⅳ
電流波高値I (kA)
200
150
100
波頭長 T1 (μs)
10
10
10
波尾長 T2 (μs)
350
350
350
短時間継続雷撃の電荷 Qs(2) (C)
100
75
50
比エネルギー W/R(3)
10
5.6
2.5

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【Q.02-24】避雷器を試験するためには、どんな電流や電圧を使用しますか?

JIS C 5381-1では、避雷器の性能を評価するために3つの分類にクラス分けされ、各クラスによってサージ波形が定められております。表12に各クラスとサージ波形の関係を示します。 表12.クラス試験
クラス 適用されるサージ波形
クラスⅠ 電流波形:10/350μs
クラスⅡ 電流波形:8/20μs
クラスⅢ コンビネーション波形(電圧波形:1.2/50μs,電流波形:8/20μs)
サージ波形は表12にありますように10/350μsや8/20μsといった表現を用いますがこれは、例えば10/350μsの電流波形の場合、10は図10のT1(波頭長)を示します。 一方350は図10のT2(波尾長)を示します。電圧波形についても同様です(図9参照)。図9.電圧波形 図9.電圧波形 図10.電流波形 コンビネーション波形とは、電圧波形と電流波形の両方を規定したサージ波形です。電圧波形は、サージ試験器の試験端子が開放(オープン)状態の時、試験端子両端に発生する電圧波形です。電流波形は、サージ試験器の試験端子を短絡(ショート)させたときに流れる波形です(図11参照)。 図11.コンビネーション波形 図11.コンビネーション波形

図12に、クラスⅠインパルス電流(10/350μs 100kA)とクラスⅡ最大放電電流(8/20μs 40kA)の場合の雷サージ波形を示します。 図12. クラスⅠインパルス電流とクラスⅡ最大放電電流の比較

図12. クラスⅠインパルス電流とクラスⅡ最大放電電流の比較

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【Q.02-25】「低圧用避雷器」の「低圧」とは何ですか?

電気における低圧や高圧とは、送配電システムの電圧の区分のことを表しています。電気設備技術基準では、表13に示す通りとしています。 表13. 低圧・高圧・特別高圧
低圧 直流750V以下・交流600V以下
高圧 直流750Vを超え7,000V以下・交流600Vを超え7,000V以下
特別高圧 直流交流に関係なく7,000Vを超えるもの
よって国内での低圧用避雷器は、直流750V以下・交流600V以下のシステムに使用するものを言います。 但し2004年にIECの翻訳版として新規制定された次の規格、 ・JIS C 5381-1 低圧配電システムに接続するサージ防護デバイスの所要性能 と試験方法 ・JIS C 5381-12 低圧配電システムに接続するサージ防護デバイスの選定と適用基準においては、「低圧」を直流1,500V以下・交流1,000V以下としています。

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【Q.02-26】接地の種類を教えて下さい。

接地の種類には目的別にいくつかありますので、表14に示します。 表14. 接地の種類
種  類 目  的 関係する規則・法令など
電気設備の保安用 電気設備の電路や非充電金属部分を接地することにより、人への感電や火災事故などを防止します。 電気設備技術基準、内線規程、労働安全衛生規制など
雷害防止用 避雷針や避雷器の接地で、雷放電電流を安全に大地へ逃すことを目的とします。 建築基準法
ノイズ対策用 通信設備などにおいて、雑音エネルギーを大地に放電するための接地です。
静電気障害防止用 静電気を安全に放電するための接地です。 火薬類取締法施行規則等
また表14における「電気設備の保安用」の接地は、更に表15の様な工事の種類に分類されています。 ※電気設備技術基準 解釈第19・20・24条などの抜粋 表15. 接地工事の種類
接地工事の種類 抵 抗 値 接地線太さ 対  象
A種 (旧:第一種) 10Ω以下 2.6mm2以上 高圧または特別高圧用の機械器具
B種 (旧:第二種) 150/I Ω I=高圧電路の一線地絡電流 2.6mm2以上 接地式電路の一線接地の機械器具(例:柱上トランス)
C種 (旧:特別第三種) 10Ω以下 1.6mm2以上 300Vを超える低圧用の機械器具
D種 (旧:第三種) 100Ω以下 1.6mm2以上 300V以下の低圧用の機械器具

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【Q.02-27】配電方式について簡単に説明して下さい。

電力線の配電方式には、大きく分けてTN系統・TT系統・IT系統の3種類があります。配電方式の種類と特徴を表16に示します。 表16. 配電方式の種類と特徴
種  類 特  長
TT系統
TT系統は一点直接接地し、設備の露出導電性部分を系統接地の接地極と電気的に独立した接地極へ接続する方式です。 日本ではこの方式が採用されており、 中性線の系統接地をB種接地、PEをA,C,D種接地としています。
TN-S系統
保護接地導体(PE)と中性線(N)がまったく分離している方式で、 機器の露出導体部分をPEに接続し、PEを中性線(N)の系統接地に接続する方式です。
TN-C系統
機器の露出導電性部分(機器の金属筐体等)をPEN導体に接続する方式。 保護接地導体(PE)と中性線(N)を兼用したPEN導体を用いる。
また上表で使用している英文字の意味は以下の通りです。 第1文字=電力系統と大地との関係 T:一点直接接地とする I :全充電部を大地から絶縁するか、または1点をインピーダンスを通して大地へ接続する 第2文字=設備の露出導電性部分と大地との関係 T:電力系統の接地とは無関係に、露出導電性部分を大地へ直接接地する N:露出導電性部分を電力系統の接地点(交流では通常、中性点)へ直接接地する その次に文字がある場合=中性線と保護導体との関係 S:中性線及び保護導体の機能を別々の電線で行う C:中性線及び保護導体の機能を1本の電線で兼用する(PEN導体)

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【Q.02-28】雷保護システムに関係する事項を管掌する国の省庁はどこですか?

雷保護システムに関係する事項を管掌する省庁は表17の通りです。  表17. 雷保護システムと省庁の関係
分  類 省  庁 基準、規則など
建物など 国土交通省 建築基準法など
電路、電気設備など 経済産業省 電気設備技術基準など
通信など 総務省 有線電気通信設備令、  消防法など

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